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21.フレット棒 22.調弦(2) 23.録音のススメ 24.スラー(2) 25.スラー(3)
26.ポジションマーク 27.ハーモニックス(1) 28.ハーモニックス(2) 29.調弦(3) 30.音階構造

21.フレット棒の謎(1)
「塾長、ちょっと伺いことがあるんですが…」
「なんじゃね?」
「フレット棒はどうして指板から出っ張ってるんですか?もっとフラットな方が押さえやすいように思うんですが…」
「君はいつもユニークな発想をするなあ。私はそんな素朴な疑問がとてもいいと思うんじゃ。」
「誉められてるのかな?どうもです。」
「さて、フレット棒の役割は何だと思うかね?」
「ドレミの位置がわかる、ということじゃないのですか?」
「そうじゃね。他には?」
「他にですか?…うーん…よく分からないなあ…」
「それじゃあ、6弦の1フレットを押さえて音を出してみよう」
「はい。低音のファが出ます」
「その時、1フレットと6弦はどうなっているかな?よーく目を近づけてみるんじゃよ」
「よーく見て、っと…あっ!接触してますね、フレットと弦が」
「それじゃよ!フレット棒の大切な役割は、弦と接触させるために指板から出てるんじゃ」
「フーン」
「開放弦というのは、弦がどこからどこまで振動しているかわかるかね?」
「この白いところからブリッジまでですね」
「この白いところ、じゃ何だかわからんな、それは“ナット(nut)”というんじゃ。ナットは0フレットに相当する。ナットは弦を乗せているからナットの左側(糸巻き側)でセーハしていると思えばよい」
「ははあ、力持ちですねぇ。えらいよ、ナット君」
「それとブリッジというのは“駒”全体を指すから、正しくは“骨棒(bone)”じゃな」
「はい。じゃあ開放弦はナットから骨棒までが振動しています」
「その通り!そして先ほどのようにファを押さえれば、弦と接触した1フレットから骨棒までが振動しているんじゃ」
「なるほど」
「入門期によく“フレットの際を押さえなさい”といわれたことがあるじゃろう?」
「はい」
「あれはなぜかというと、フレット内のどこで押さえても結局はフレット棒に弦を接触させることになる。そのうち最も少ない力で押さえられるのが“キワ”ですよ、という単純な原理なんじゃ」
「なるほど!そういうことだったのかぁ」
「これがフレットのないヴァイオリンなどのような楽器は、押さえた指の位置から弦を振動させるわけじゃから、感覚は随分違うんじゃ。専門的にいうと“純正律”楽器と“平均律”楽器の違いということになるが、この話は専門的になるのでまたの機会に譲ることにしよう。とりあえずギターやピアノなどは“平均律の楽器”ということだけ覚えておくといいじゃろう」
「はい。今日はどうもありがとうございました」

22.調弦について(2)
1ページ目、第1項で調弦についての考えを述べたんじゃが、具体的方法をまだ言っていなかったので、今回はそれをご紹介しよう。さて、話をわかりやすくするためにギターの音階表(←クリック)を見ていただこうと思う。5弦の開放弦はラ、この音はチューナーを使って合わせて良い。正確に合わせてみよう。ギターを持って最初に教わる方法は、5弦の5フレットのレを押さえて音を出し、4弦の開放弦のレをこの音に合わせる方法じゃが、これが結構難しい。「合っているのかなあ」と疑心暗鬼になるかもしれない。そこで、次の方法を試していただきたい。まず、5弦のレを弾いたら、その音を自分の声で「アー」と言ってみるんじゃ。次に4弦の開放弦の音を聞いて「アー」という。「音を聞く」という動作から「音を自分の体で出す」動作に移ったわけじゃ。音を良く聞いて発声するんじゃよ。このときに声帯が少しでも変化を感じれば高い・低いという感覚を身をもって知ることができる。そして、合ったかなあと思ったらすぐにチューナーで確認してみよう。以下同様にして4弦の5フレット=3弦開放弦、3弦4フレット=2弦開放弦、2弦5フレット=1弦開放弦とあわせていく。(音階表で確認できる)最後に5弦の開放弦と6弦5フレットの音を合わせる。この場合は最初に5弦を弾くんじゃよ。音楽理論で2つの音の広がりを示す言葉に「音程(インターバル)」というのがあり、まったく同じ高さの2つの音程を「完全1度」というんじゃが、今回紹介したのはこの「完全1度」による調弦、ということになる。ギターの調弦というのは各人のレベルに応じて何種類ものやり方があり、このやり方は最も基本でもあるが、ひとつ違った調弦をすると残りの全部が違ってくるという欠点がある。しかし完全1度の感覚は調弦の中でも最も基本じゃ。ぜひ声を出して調弦してみよう!きっと音感が良くなっていくじゃろう!

23.録音のススメ
ギターという楽器は「音が切れやすい」楽器じゃ。それゆえ、自分が出した音がどこまで余韻が続いているかをよーく聞かないとプツプツしたノン・レガートな演奏になってしまう。だが、初心のうちは「音を出す」ことには集中しているが「音を伸ばす」ことに無神経になりやすい。だから私は「自分の演奏を録音して聞いてみる」ことを奨めている。きっと初めて録音したならば、演奏中は気づかなかったことが山のように出てくるじゃろうなア…。録音することで初めて自分が描いていた音楽と違うことに気づき、見る見る上達することがある。幸い今日ではカセットテープのほかに、MDやICを使ったヴォイスレコーダーなど手軽に録音できる機種が増えてきた。「録音すると自分の欠点が見えてイヤダー」といいながら発表会の練習に取り組んでいる人もいるが、「自分が聞いてイヤダー」と思う演奏を他人が聞いて「いいなあ!」と感じることは無いじゃろうなア…。まず最初に自分がお客さんになったつもりで録音テープを聞く。そして自分が描いていた音になるように改善する。この繰り返しが君の演奏をレベルアップするんじゃ!さらに言えば、ギターレッスンを録音しておくのもすばらしい上達法なんじゃよ!先生の許可は必要じゃが、大概の先生はOKと思う。ぜひやっておくれ!

24.スラーについて(2)
第1ページ第8項でスラーについての考え方を述べたわけじゃが、今回は具体的練習法をご紹介しよう。下図スラーの練習(1)は最も多く練習されているパターンと思うが、すべて2弦で練習しよう。
スラーの練習1

上の行はファースト・ポジションから1ポジションずつ移動して9ポジションまで上昇していくパターンであり、下の行は9ポジションからファースト・ポジションまで下がっていくパターンを書いたもので、この2行は連続して行うことになる。そしてこの練習での注意は次のとおりじゃ。

●上昇スラーの注意
1・2のスラーが済んで2・3のスラーを行う際に1指(人差し指)と2指(中指)を残しておく。次の3・4のスラーのときは1指・2指・3指をフレット上に残しておく。
●下降スラーの注意
4・3の下降スラーを行う前に左4本の指はすべて2弦上にある。
4・3の下降スラーは4指のアポヤンドスラーを行い、弾き終えた4指は1弦上にいる。
上の状態で次の3・2のアポヤンドスラーを行う。弾き終えた左3指は、4指と一緒に1弦上にいる。
さらに2・1のアポヤンドスラーを行う。弾き終えた2・3・4指すべてが1弦上にいる。
●ポジション移動の注意
ポジション移動する場合、上の行では2・3・4指を1弦から離して移動する。下の行では1・2・3・4指がすべて2弦上にいたままポジション移動する。

以上の注意を守って練習しよう。上昇スラーにおいては指の根元の関節を反らして弦を打ち、下降スラーでは指先の関節を折り込むように動かす。手の甲がびくとも動かないのが正しいフォームといえる。私はこの練習を2弦から6弦まで一気に行っているんじゃ。ぜひ君もトライしてくれたまえ!

25.左小指を鍛えるスラーの練習(3)
今まで何度も指摘してきたが、左小指(4指)は他の指と比較して非常に弱い指であるにもかかわらず、ギターではこの指が非常に大切な運動を担っている。従って、次のスラー練習は4指を鍛える最も効果的な練習法の一つじゃ。
スラーの練習2

練習に際しては前回と同様の注意がある。
1.上の楽譜はすべて2弦上で行う。
2.下降スラーの場合はアポヤンドスラーを使う。
3.上の行、スタート前に1・2・3・4指は9・10・11・12フレットに置いておく。2拍目は1・2・4指を、3拍目は1・4指をそれぞれのフレットに置いてからスラーする。以下同様に。
4.上の行と下の行は連続して行う。
5.下の行で2拍目は1指を、3拍目は1・2指をフレットから離さない。以下同様に。
6.下降スラー・上昇スラーで使う指の関節は前項と同様に。

以上の注意を守って練習すれば、君の小指は間違いなく鍛えられると思う。毎日の練習としてぜひ取り組んでくれたまえ!

26.ポジションマークの不思議
「塾長、僕が最初に買ったギターにはポジションマークが付いていたのに、新しいギターには付いていないんです。どうしてですか?付け忘れたのかな?」
「いやいや、付け忘れたのではなく、最初から付いてないんじゃよ」
「エーッ!なぜですか?あったほうが弾きやすいのに…」
「ははあ、君はポジションマークを頼りに演奏してるなあ?」
「えっ?みんなそうしてるんじゃないんですか?」
「私のギターを見てごらん。なーんにも付いていないんじゃよ。」
「ほんとだ。よく弾き間違えないですねえ…」
「考えてみてごらん、ポジションマークが付いたヴァイオリンやチェロがあると思うかね?」
「あまり詳しくは知らないのですが…。見たことはありませんね」
「そうじゃろ?君が最初に買ったギターというのは、入門用のギターだと思うなあ。入門用ギターは初心者が弾くという前提があるから、どの位置かわかるようにポジションマークが付いているんじゃよ。」
「親切心ですね」
「そうじゃな。しかしたびたび述べているように、人間の感覚というのは便利なものが無いほど鍛えられていくんじゃ。逆にいえば、便利なものがあるほど感覚が鈍っていく。うっかり押さえミスなどは、フレットのポジション感覚が充分鍛えられていないから起きるんじゃよ。」
「なんとなくわかりますが、今までマークを頼りに弾いていたのに全部取るのはどうも心配です。パンツの紐が無くなったような気がして…」
「パンツの紐とはうまいこというなあ!じゃあ、とりあえず7フレットだけにしてみてはどうかな?マークは文房具屋で売っているシールにちょうどいいサイズのものがあるはずじゃ」
「わかりました」
「ところで、ポジションマークはどうして5・7・10・12フレットに付いているかわかるかね?」
「考えたことありませんでした。なぜですか?」
「音に分類の一つに“幹音”“派生音”というのがある。幹音とはシャープやフラットなどの付かない音を指すから、ピアノでは白鍵となる。逆にシャープやフラットで変化した音を派生音といい…」
「ピアノの黒鍵の音ですね!」
「そのとおり!そしてギターの同一フレット内で幹音が最も多く集まるフレットが5・7・10・12フレットなんじゃよ(ギターの音階表参照)」
「なあるほど!5・10・12フレットは幹音ばっかり!7フレットは2弦を除いて幹音だあ!」
「これが理由。そして、12フレットは弦の中央じゃから、開放弦の1オクターブ上の音が並ぶ重要なフレットじゃ」
「ネックの付け根ですね。エレキやフォークギターは特に目立つマークがついてますよね!」
「そうじゃね。しかしエレキギターなどのネック上のポジションマークは、ほとんどデザインと考えてよい。ネックを覗き込んでは演奏しにくいはずじゃ。」
「今日は色々と勉強になりました。ありがとうございました」

27.ハーモニックスの不思議(1)
「塾長、どうも僕はハーモニックスの音をうまく出せないんです。何かコツはありませんか?」
「それじゃあとりあえず君のハーモニックスを聞いてみよう。6弦のハーモニックスを12フレットから順に鳴らしてみてごらん」
「順にといいますと、7フレットや5フレットですね?」
「おやあ?自然ハーモニックスが出る場所(フレット)を全部は知らないのかなあ…?」
「ハア…。」
「わかったわかった!そんなに心配せんでも良い!では、ハーモニックスの原理から順に説明しよう。図1を見てごらん。これはハーモニックスではない普通の開放弦の振動を模式的に描いたもんじゃ。以前も述べたが、開放弦というのはナットから骨棒までが振動する。仮にこの長さを60センチとしよう。振幅は中央の30センチの部分で最大になり、ひと山の振動を起こしている。6弦を弾いてこの振動の感じを良く見てごらん」
開放弦模式図
「確かにひと山で振動してます」
「次に12フレットのハーモニックスを弾いてみよう。12フレットは弦の中央じゃ。軽く触れることによって図2のようにふた山の振動が起きているんじゃ。これも良く見て確認してごらん?」
12フレットのハーモニックス
「うーん、ふた山見えるような見えないような…」
「もっとはきりさせるには、6弦をフォルテシモで弾くんじゃ。このときに12フレットの部分は振動が止まっていて、5フレット付近が最大に振動しているのを確認すんじゃよ」
「ああ、なるほど。12フレットあたりは弦が止まっている感じです」
「このときでる音というのは何の音かわかるかな?」
「ええと確か、開放弦の1オクターブ上の音ですから“ミ”ですね。」
「そうじゃね。仮に今6弦の12フレットを押さえて音を出したとしよう。そうすると弦の振動はふた山のうちの右側(b)が振動している。ハーモニックスはこの山と同じものがもう一つ(a)でおきている理屈じゃ」
「それで1オクターブ上の音になるんですね!なんとなく見えてきたぞ」
「では次に7フレットのハーモニックスじゃ。図3のような弦の振動になる」
7フレットのハーモニックス
「塾長、今度は3分割されているんですね!」
「大正解!弦全体の3分の1の長さで振動が起きているから、7フレットのハーモニックスはもう一つの3分の1地点である19フレットでも同じハーモニックスの音がでるんじゃよ。ところでどうして19フレットになるかわかるかな?」
「どうして、と改めて聞かれると…。なぜだろう?」
「1オクターブには12個の半音があり、7フレットの1オクターブ上は7+12で19フレットなんじゃよ!」
「そうか!」
「そしてもっと大切なことがある。7フレットのハーモニックスは19フレット付近で弾いてはいけない、ということじゃ」
「ええーっ?なぜですか?」
「論より証拠。19フレット付近で弾いてみてごらん?」
「ほんとだ。音がでないや!」
「最初に述べたように7フレットのハーモニックスは弦を3分割している。19フレットは分割地点じゃ。分割地点というのは弦の振動が止まる場所じゃ。振動が止まる場所でいくら力一杯弾いても無意味なんじゃ」
「あああ!簡単な理屈ですねえ!」
「じゃろう?意外と知らない人が多いんじゃねえ、このこと」
「言われてみれば当然ですね」
「そして、ハーモニックスででる音の高さは19フレットを押さえた音に等しい、ということもしっかり覚えておこう!」
「わかりました」
「次は5フレットのハーモニックスじゃな。図4を見ていただこう」
5フレットのハーモニックス
「今度は4分割ですね。だんだん理屈がわかってきたぞ。あれれ?塾長、この架空の24フレットとは何ですか?」
「ギターのフレットというのは19または20フレットまでしか付いていないが、理論上数限りないフレットがついているものとして、考えると便利なことがある。今回はその例じゃな」
「なんとなくわかってきました。12フレットの1オクターブ上の音は12+12で24フレットになるということですね」
「おっ!だんだんわかってきておるな!具体的にはサウンドホールの中央よりやや右寄りの位置にこの24フレットが存在している。ここもハーモニックスがでるはずじゃ、やってみてごらん?」
「でました。なんだかうれしいな!」
「そして、ハーモニックス音は理論上の24フレットを押さえた音に等しい、ということじゃね。さらに大切な注意は弾く右手の場所。」
「そうか!この場合も24フレット付近で弾いてはいけないんですね!弦が止まる場所だ。だから僕は5フレットのハーモニックスがくすんでたんだ!」
「そう。そのとおりじゃ。一般にハーモニックスというのは、できるだけブリッジ寄りで弾くほうがいいんじゃよ」
「よくわかりました」
「さあ、この調子で残る4フレットや3フレットのハーモニックスを調べてみよう!」
4フレットのハーモニックス
「塾長、4フレットのハーモニックスは5分割ですね。9フレットも同じなんだ。あれれ?16フレットもでるんですか?」
「やってみてごらん?」
「ほんとだ。全部おんなじ音だ!知らなかったなあ…」
「ハイポジションで演奏していてこの音がほしいときなどに有効じゃね。5分割の場合は5分割のどの地点でも同じ音がするんじゃが、次の6分割はそういうわけにいかないんじゃ」
3フレットのハーモニックス
「ははあ、わかってきました。3フレットのハーモニックスは7・12・19フレットの3箇所は今まで出てきたハーモニックスの音になっちゃいますもんねえ!」
「左様!かろうじて架空の31フレットが使えるんじゃが、まあしかし実際にはこの位置は分割地点として記憶する程度でいいじゃろう。なお、今まで述べた模式図はすべて弦長が60センチと仮定しての話じゃった。実際には65センチが標準じゃから、ハーモニックスの実際の位置を知りたい場合は割り算をしてその長さを測ってみるといいじゃろう」
「今日はハーモニックスのスペシャリストになったような気分です。どうもありがとうございました」

28.ハーモニックスその(2)
前項ではハーモニックスの原理と注意を述べたんじゃが、今回はハーモニックスによりそれぞれの弦はどういう高さの音になるかをまとめておこう。各弦のハーモニックスの音は次のようになる。
自然ハーモニックス音一覧
7ar.などはharm.7と同じ意味じゃね。この表からわかることは、ある弦のハーモニックスの音を全部合わせると、その弦をルートにしたメジャーコードになっているということじゃな。例えば6弦はEメジャー、5弦はAメジャーとなる。こうして発生する音を“自然倍音”という。自然倍音はこれらのほかにより高い音も存在しているんじゃが、ハーモニックスとして楽曲で使用できるのは上記の5種類がほとんどじゃ。それと、ハーモニックスの記法はずいぶんと変遷してきた。古典派のソル、カルリ、ジュリアーニなどの作品では、弦指定のために開放弦の音を書き、その上にharm.12とかarm.5などのように書いた。ブラジルの大作曲家H.ヴィラ=ロボスはハーモニックスではない実際に押さえた実音でハーモニックスのポジションを指定し、音符をダイヤ型で書き表した。現代では上記のように実際に出る音の高さ(または1オクターブ下)でダイヤ型音符にして書き表すことが多い。ただし、いずれの場合も混乱を避けるために弦指定は必要じゃ。(たとえば3弦の7ar.=4弦の5ar.となる)私は音の高さが一目でわかる現代の記法が最も良いと思うんじゃが、皆さんはどうかな?それじゃあまた!

29.蛍の光・窓の雪…調弦(3)
「塾長、塾長は調弦のときよく開放弦を順にならすだけで合わせてますよね。あれはどうしてできるんですか?僕には神業のように思うんですが…」
「別にそれほどの訓練が必要ではないんじゃよ。蛍の光、窓の雪じゃ」
「え?何ですかそれ?」
「その歌を歌えばいいんじゃよ。♪ほーたーーるのー…という出だしがあるじゃろ。その『ほー』の部分をたとえば5弦の開放弦とし、この音が合っているものとしよう。そうすると、次の『たーーるのー』になるように4弦の開放弦の音を合わせるんじゃ。」
「ははあ!」
「今度は4弦の開放弦を『ほー』と考え、次の3弦の開放弦が『たーーるのー』になるようにする。音楽用語では“完全4度音程”というんじゃが、この歌がちょうど完全4度で始まるわけじゃ。特に『たーーるのー』と何回も同じ音がでてくるところが調弦にふさわしい!」
「なーるほど!おもしろいですねえ。今度僕もやってみようっ!と」
「しかし注意がある。3弦と2弦の開放弦は完全4度より一つ狭い長3度音程じゃ。この部分はとても合わせづらいから、4弦と2弦の開放弦の音程、すなわち長6度の歌を使うといい。歌は♪見上げてごらん、夜の星を、の出だしなどじゃ」
「その歌、僕知らないなあ…。若いもんで」
「おっ!言ってくれたなあ(笑)。年のことはどうでもいいんじゃ!私が言いたいのは、そんな歌を見つけること。君の時代には君が知ってる歌があるじゃろう?」
「はい。今度探してみます。」
「2弦と1弦、6弦と5弦の場合も完全4度じゃ。蛍の光が役に立つんじゃよ」
「蛍の光はみんなが知っている名曲ですね」
「そうじゃね。スコットランド民謡で、あちらの国では日本とは反対に出会いの喜びの歌なんじゃよ」
「そうなんですか。知らなかったなあ。でもすごくいいこと聞いた気がします。どうもありがとうございました」

30.音階の構造(1)
前ページ、第20項でも述べたんじゃが、「ドレミファソラシド」という音階は、ミ・ファとシ・ドが半音になっていて、それ以外の隣の音は全音じゃ。この音階の構造は音楽理論でも基礎中の基礎となる。次の図を見て、ギターとピアノの音階構造が同じであることを確認しよう。
音階構造図1はギターの2弦に注目して音階の構造を書いた。ミ・ファやシ・ドが半音になるということはフレットが隣接するということじゃね。そして、それ以外の隣接する音は1フレット開くことになる。図2はピアノの音階構造じゃ。ミ・ファとシ・ドの間には黒鍵がない。すなわち、隣の音を意味している。そしてそれ以外の隣の音には黒鍵がある。ピアノの黒鍵は2・3・2・3と並んでいるが、これは1図のギターも同じ構造であるのがお分かりいただけると思う。すなわち第2・第4フレットが黒鍵にあたるわけじゃ。同様に7・9・11フレットも黒鍵にあたる。
結局音階の構造は12個の半音からできているということじゃが、12個で一回りするものといえば…?そう!時計じゃね。実は音階というのはちょうど時計の文字盤のようになっているんじゃ。次の図を見てみよう。
音階の時計盤



ちょうど12時のところを「ド」にすると、12個の半音が時計盤をくるくると回って1オクターブ高い「ド」に着くものと考えられる。高さはこの表では表現できないが、「螺旋階段」を上から見ているような感じじゃ。この時計盤を利用すると、たとえば音程の理解やコードの構造を知る上でとても役に立つんじゃよ。ぜひ覚えておこう!





21.フレット棒 22.調弦(2) 23.録音のススメ 24.スラー(2) 25.スラー(3)
26.ポジションマーク 27.ハーモニックス(1) 28.ハーモニックス(2) 29.調弦(3) 30.音階構造

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